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贅沢5巻こぼれ話!

お正月ムードも薄れてきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は次の原稿のための資料読み&頭脳労働中でございます!happy01

さて、思い出した時に順不同でお送りする贅沢こぼれ話シリーズ(いつからシリーズに!?)、今回は5巻『ときめきは夢と幻の彼方へ!?』についてちょっとお話ししてみようかと思います。
テーマはズバリ、『残念陛下』です。

 

 

5巻といえば、陛下が格好よく剣を構えているカバーイラストが印象的な巻でございます。
そう、この時、私が考えていたことは――

shine 陛下に格好いい場面を作ってあげよう! shine

でした。
もともと私は、ヒーローを残念キャラにしようと思ってこの作品を書き始めたわけではなくてですね(ええ、そうなんですよ!)、文庫化に際して思いがけず残念になってしまって以来、坂道を転げ落ちるように残念道をひた走る陛下を、なんとかしてあげたかったわけですよ。
で、4巻から2冊かけて、陛下が剣を振るって格好よく花蓮ちゃんを救け出す展開を組み立てたのです。

一方その頃、イラストの犀川さんも「今度のカバーでは陛下に剣を持たせてみたいなー」と考えていたらしく。
そこへちょうどこの内容の原稿が届いたものだから、しめたとばかりに格好よく剣を構えた陛下を描いたとのことでした。
この偶然の思考の一致はおそらく、あんまりにもヒーローが残念残念言われるものだから、作者・イラストレーター共に、「これはなんとかせねば!」という焦りが働いたのだと思われますsweat02

 

そうして、絵面だけは格好よくなった陛下。無事に発売日を迎え、読者の皆様からの反響はというと――

thunder 陛下が頬を染めて花蓮人形の服を脱がせる場面へのツッコミばかり!thunder

ええ、陛下のカッコイイ場面を狙いすまして終盤に配置したのにも関わらず、いただく感想は序盤の花蓮人形ネタに関するものがほとんど。
……確かに、これも書きたかった。花蓮人形の服を脱がせる陛下が作中キャラたちから畳みかけるように突っ込まれる一連の流れをすごく書きたかった。楽しんで書いた。でもまさか、ここに全部持っていかれるとは……!bearing

花蓮人形を可愛く描いていただけた、というのは収穫だったんですけどね……!
「精密なお人形の顔ではなくて、ゆるキャラみたいな感じで! 手はぷっくりお手々で!」とお願いしたところ、あのようなお人形の絵が来まして、私を狂喜させました。
私に気に入られた結果、陛下にも愛でられて、その後、大幅に出番が増えることになる花蓮人形でありました(笑)

 

この巻で他に反響があったのは、範家での陛下と理央の兄弟場面。
最終巻のあとがきでも書きましたが、こんな場面がなくてもこの巻の展開には何ら支障はないのですが。ただ私が書きたかった、挿絵を見たかった、というだけなのですがcoldsweats01
読者の皆様にも喜んでいただけて、救われました……。私が楽しいだけじゃなくてよかった……!
話の骨組には全然関係ないので、担当さんに提出したプロットにもこの場面については何も書かなかったのですが、後に「あの場面、読者さんから好評だったんですよー」と話す私に、「狙って入れたんですからよかったですね(笑)」と答える担当さん。
ばれてた……個人的趣味で狙ったってばれてた……sweat02
そりゃそうだよね、そもそも初めに原稿を読んだ時も、本筋に関係ないこの場面を削れとも何とも言わなかったもんね……(まあ、担当さんが理央を気に入っているのをわかっていたので、大丈夫だろうと踏んで書いた、という面もあったのですが)

 

さらにこの巻では、現代パラレルのイラストを見たくて、幻のあんなネタを盛り込んだりもしました。もちろん、プロットには書きません、こんなネタ。
小ネタを全部盛り込んであらすじを書いたら長くなりすぎるのと、初めに手の内を見せすぎると原稿へ入る前にNGを喰らう危険性があるため、提出用のプロットには本当に最低限の骨組しか書かないようにしています。←デビュー後に付いた知恵(笑)
(ちなみに、自分用のプロットは大小すべてのエピソードを盛り込んで細かく組み立てられているので、めちゃくちゃ長いです。「それ、もうプロットじゃないよ」と人に言われます。下書き、と言った方がいい代物らしい……)
当時の担当さんにはいつも、
「我鳥さんはプロットにない小ネタが本番ですよね」
と言われておりましたが、ええ、確かに、担当さんに見せるプロットには書いてないネタに反響があることの方が多いです(笑)
でも、本筋より小ネタの方がウケるって、それ、いーんでしょうか……?coldsweats01

 

それから……この頃の私は、

bomb 作品名を『贅沢な身の上』ではなく、『残念な身の上』と言い間違えそうになってしまう bomb

という現象に悩んでおりました。
ほんと、あんまりにも周囲から陛下が残念残念言われるので、自分で付けた作品名なのに『贅沢な~』ではなくて『残念な~』と言いそうになってしまう状態に陥っていたのですよsweat01
このままではまずいと焦った私は、先にそれをネタにしてしまうことにしました。
なのでこの巻では章タイトルに、『皇帝陛下は残念な身の上?』というのがあります。これで、うっかり『残念な身の上』と言ってしまっても、作中のネタだからと言い逃れが出来る……!(姑息な手段)
でも、そうしたらそうしたで、『残念な身の上』というフレーズにまた反響があって、陛下の残念キャラはさらに定着してしまった――というオチでしたsweat02

 

陛下を書いている時、よく思い浮かんだ言葉――

typhoon 焼け石に水 typhoon

これまた最終巻あとがきで書きましたが、私にとって陛下はフツーに『いい漢』なんですよ。だからそれを信用して、アホなこともさせちゃうんですよ。これくらいやっても芯はぶれないだろう、という、まさに信用です。
でも作者のその信用の結果が、傍から見るとただの残念ヒーローに映ってしまっているようでsweat02
さすがにこれはいかん、もっとわかりやすく格好いい場面も作ってあげないと! と思い、いろいろスペックを盛ってみても、先に書いたようにその他残念言動にすべてを持っていかれてしまう……!
スペックを盛れば盛るほど残念になるって、どういうことなの……! 盛っても盛っても、瞬時にジュワッと蒸発して効果なし、になっちゃうって何なのよ……!thunderthunder
お約束の格好いいヒーローを書きたいという気持ちも並々ならずあるのに、ヒーローおちょくり趣味が抑えられない私の悪癖が……!bearing

 

そんなこんなで、剣を持ってキメさせても焼け石に水だったので、この巻以降で陛下が武器を持って活躍するという場面はありませんでしたね(苦笑)
思えば、ヒーローとしては珍しく、陛下は武器を持たない人でした。基本的には素手の腕っ節で片を付けています。
なぜでしょうね、陛下と武器、というのが私の中であんまり結びつかないんですよね。作中でも、陛下が武器を使うのを好まないことを書いています。
なので、そういう意味でもこの5巻は異色の巻だったと言えると思います。

 

……そして結局、作者の野望――陛下をちゃんと「カッコイイ!」と評してもらえるのは、ラス前の巻までお預けとなるのでした……coldsweats01

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